レファ協インタビュー

このブログで何回かご紹介しているレファレンス協同データベース(http://crd.ndl.go.jp/jp/public/)に「参加館通信」というものがあり、協同データベースに参加している機関宛に送られるメール版ニュースレターです。先月このニュースレターで当館がインタビューを受けました。転載の許可もいただきましたので、ほぼそのまま掲載させていただきます。大体がこんなスタンスで仕事をしています。「レファ協」での掲載のとおり(上)(下)にわけて掲載します。

――目次――

  連載「教えて、お宅のレファレンス」
   第1回「紙の博物館図書室」(上)

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 ※文中では、レファレンス協同データベースを「レファ協」と略しています。
※文中に引用したレファレンス事例の質問は、一部編集されています。

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日頃、どのようにレファレンスを行っていらっしゃいますか?

 当館は博物館の中にある図書室です。資料の貸出しはしていないため、
レファレンスをサービスの中心としています。レファレンスは図書室と
博物館の両方で受けています。正確な受付件数は出していませんが、図
書室で受けるのは一日に2、3件です。
 簡単な質問であればすぐ答えられますが、やはり専門的な質問が多い
ので、調査にある程度時間のかかるようなケースが多いです。

専門的な質問も、すべてお一人で対応されるのですか?

 図書室だけでなく、博物館の方とも連係してレファレンスに当たって
います。博物館では学芸員のほか、製紙会社のOBの方にボランティアと
して見学のお手伝いをしていただいています。図書室に寄せられた質問
でも、技術的な質問などはその方にお任せすることもあります。
 ただし、文献に当たることと、レファレンスの結果を回答としてまと
めるのは私の仕事です。ボランティアなど、他の方にお願いした場合は、
後でその内容を聞いてまとめています。

最近印象に残ったレファレンスは?

・模造紙の地域名称であるB紙及び大洋紙の言葉の由来
http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000029102

 こちらは最近というよりは、以前から継続しているものです。マスコ
ミで時々取り上げられるようで、博物館の方にも何度も同じ質問が寄せ
られます。語源ということで、なかなか調べるのが難しいのです。
 この事例はレファ協に登録しましたが、最近まで参加館公開にしてい
ました。インターネット上の情報はいくつか見出せても文献としてまと
まったものが見出せず困っていました。レファ協を通じてコメントが寄
せられ、いくつかの参考文献も教えていただきましたので、今では一般
公開して、レファレンスに回答として提示させていただいています。

レファ協に登録した事例を、レファレンスの回答としてご利用される

場合もあるのですね。もともと、レファ協に参加されたきっかけは何だ
ったのですか?

 レファ協に参加したのは2003年の、最初の参加館募集の時でした。
 当時、レファレンスの成果をもっときちんと標準化した形でまとめた
いと思っていました。冒頭でお話ししたとおり、当館のサービスはレフ
ァレンスが中心ですので。しかし当時はそのための適切なマニュアルも
なく、まとめ方の良い方法も分からなくて、一人で色々悩んでいました。
 そんな時に、当時実験事業だったレファ協の案内を目にしました。
 「これなら小さい図書館でも、レファレンス事例を登録できる!」と
思って、参加しました。

現在レファレンス記録は、どのような形で残されていますか?

 毎日、件数と内容を日誌につけています。当館が飛鳥山公園に移転し
たのはもう10年近く前ですが、その頃からずっと続けています。
 日誌では、内容は簡単に書いておいて、一部は後でまとめ直してレフ
ァ協に登録します。かなり推敲を加えますので、まとめるのが大変で、
登録までに時間がかかってしまいます。手元には相当な件数の事例があ
ると思うのですが、なかなか登録に至らないというのが悩みです。