フランスの手漉き紙
紙の博物館には世界各地の紙漉き場の情報についての問い合わせも多い。
古い文献 断片的な情報はあってもなかなかまとまった、かつ最近のものは見当たらない。
インターネットに情報があっても言葉の壁などで全貌を理解するのも困難な状態。
紙の博物館機関誌「百万塔」131号(2008年10月発行)に松本昌子さんによる
「フランスの手漉き紙」という論文が掲載された。
松本さんは元横浜市立大学市民文化研究センター研究員で現在は比較文化研究家として活躍。
フランス滞在も長いと聞く。
フランスの紙漉きの歴史概要と伝統的技法の解説に続き
著者が近年に実際に訪問した8ヶ所の 手漉き工房の丁寧な紹介がなされている。
私(kamihaku)もプロヴァンス地方の一工房を訪れた事がある。
(フォンテーヌ・ド・ヴォクリューズ)
その時には有名なリシャー・ド・バ(今回の探訪記に収録)とそこぐらいしか残っていないのではなどと思っていたが、
どうしてどうして、フランス全土ではまだまだ多くの工房が残っているのかもしれない。
自然破壊を憂えてのエコロジー活動の一躍をになって最近復活した工房も多いと聞く。
なお ムーラン(Moulin)とは水車のことで中世フランス手漉き紙工房は
水車を動力源としたのでこの名がついている。
以下工房の名前と場所をあげます。
詳しくは紙の博物館「百万塔誌」をご覧下さい。
http://papermuseum.jp/hyakumanto.htm
- 1 ムーラン・ド・ペンミュール(Moulin de PenMur)
ブルターニュ地方モルビアン県 ムジラック村(Muzillac)
- 2 アングレム市 紙の博物館 ル・ニル
(Musee de papier-le Nil, Angouleme)
歩ワトー・シャラント地方
- 3 ムーラン・ド・ベルジェ・ア・ピュイモワイアン
(le Moulin du Velger a Puymoyen)
アングレム市郊外 ピュイモワイアン村
- 4 ムーラン・ド・フルーラック
(le Moulin de Fleurac, Association Musee du papier d'Angoumois)
アングモア紙の博物館
シャラント県ネルサック近郷 サンミッシェル村
- 5 ロジック紙工房&エコミュゼ
(Moulin a papier de la Rouzique & echomusee du papier)
アキテーヌ地方ロット・エ・ガロンヌ県ベルジュラック近郷
ドルドーニュ川支流クーズ川沿い
- 6 ムーラン・ド・ラロック (Moulin de Laouque)
アキテーヌ地方 ロット・エ・ガロンヌ県 クーズ川沿い
- 7 ムーラン・ド・ポンビエ(Moulin de Pombie)
ロット・ガロンヌ県
- 8 ムーラン・リシャー・ド・バ 紙の歴史博物館
(Moulin Richard de Bas Musee historique du papier)
ピュイ・ドーム県アンベール(Amberr)市郊外