レファレンス協同データベース

レファレンス協同データベースは国会図書館をはじめ、各図書館が
レファレンスを協同で解決しあうサービスです。
一般公開もされていますので、一度覗いてみてください。
結構楽しい事例が登録されています。
問題解決のツールとしてかなり有効なものだと思います。

当館がいくつか登録したデータの中で「ゆとん」についての事例が
おすすめデータとして今回紹介されました。

油団(ゆとん)についてその歴史など(紙の博物館図書室)
http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000004375

ゆとんというのは 主に北陸地方で使われる紙を加工した敷物で
冷涼感がある為特に夏の座敷にしかれたとのこと。
紙の加工品ということで 福井県鯖江市で作られている事が
載っている雑誌「季刊和紙」などは所蔵していたが、それ以上の情報はなかった。

実はこのレファレンスを求めてきたのはある男性。
国会図書館でも「季刊和紙」を所蔵していなかったとの事で来館。
「ゆとんの歴史について何かありますか?」「現状についての記述は
季刊和紙などいくつかありますが、歴史についてはわかりません」
「そうですよね。なかなかゆとんの歴史というのはわからないんですよね」
などという会話がなされて 本人は「季刊和紙」のコピーなどを
とられて ある程度満足されて帰られた(と思った)


後日博物館のご意見箱に寄せられた感想によると
「紙の博物館の図書室といっても ゆとんの歴史さえ置いてないとは
嘆かわしい・・・」などと 不満たらたらの文面
こちらは唖然とした。あれだけにこやかに
歴史をたどるのはむずかしいと共感されていたと思ったのに
レファレンスのむずかしさと同時に人間不信 に 陥りました。。

その失敗談から レファレンス協同データベースに未解決事例として
登録したところ、地元福井県立図書館からご丁寧な回答が寄せられたのです。
レファレンスは自館だけでは解決できないことも多く、これからも
この協同データベースの力を借りていきたいですね。