飛鳥山の猫

この頃 茶トラの猫をよく見かける。この界隈では「茶太郎」と名づけられているようで、どうも渋沢史料館さんがお世話をしているらしい。
元はどこかで飼われていたのか、人懐こく去勢もすましているとのうわさ。
私が最初に見かけたのは大雨の夕方 区民まつりの準備のテントの中で高校生男子が何かを見ていると思ったら テントで猫が休んでいた。
高校生になでられても置物のようにじっとしていた。
この頃は日向ぼっこでたたずんでいるのによく遭遇する。

飛鳥山はまあまあ広いから猫の生活には申し分ないだろう。食べ物も誰かがくれるし。

自分が猫とかかわる前には知らなかったが、最近は室内飼いが当たり前になってきている。地域猫という少数派もいるが、むやみに野良にえさをやることは 条例でも禁止されているところもある。
そんなにむきにならずとも と 最初は思ったけど、猫に責任はないものの、猫の為にも人間の為にも少なくとも都会ではある程度の管理下におかないと双方が暮らしにくくなっている。

野良猫は飼い猫ほど生きられない。交通事故や虐待 動物同士の喧嘩。
生きていくには結構大変だ。
1年ほど前によく見かけた 白黒の美形もいつのまにかいなくなった。
図書室の窓の外を ヒキガエルを追いかけ飛びついてくわえていった大物もいたなあ。あの時猫を見直したものだ。

そこそこの環境を与えて この茶太郎君が
博物館街の看板猫として長く生きていって欲しいことを願う。

全国郷土玩具友の会「おもちゃ」後日談

先日「おもちゃ」誌のことを書いたが、その問い合わせた方より当館未所蔵分についての寄贈を受けた。その方が地元の図書館に問い合わせたところ全国でも「おもちゃ」誌を保存しているところはほとんどなく、所蔵号数が一番多かった当館へ寄贈していただいたとのこと。その後郷土玩具友の会は休会し「おもちゃ」誌179号(2009.9)をもって最終号となると事。時勢の流れとはいえ残念だ。

実は私KAMIHAKUは博物館に入る以前郷土玩具を集めていたことがある。旅先で買い求めるという集め方でコレクターの域ではない。素朴な土人形や土鈴などが好きだった。それでもあまり場所をとるのでほとんどを他人にあげてしまった。こういうものは興味のない人間には無駄なもの。右から左へ処分されたのだろう。今から思えばもったいないことをした。最終号は「私の一品特集号」と題して会員が秘蔵のコレクションをご披露している。私がかつてもっていた高松のほうこさん(これほど大きくはないが)ものっている。

紙の博物館は小さい館ながら、郷土玩具友の会会誌「おもちゃ」を末永く保存していきます。愛好家の方もどうぞご安心下さい。

「うるわしの料紙」講演会終了!!!

11月23日開催「うるわしの料紙」の講演会 定員50名のところ80名を超える参加者が集まり大盛況でした。
川村裕子先生の「王朝貴族の華麗なる和紙と手紙」では 『源氏物語』『蜻蛉日記』『紫式部日記』等の王朝文学の中で特に手紙にまつわる話を取り上げて、文付枝(ふみつけえだ)や重ねの色目など 雅な薄様和紙の世界を 先生独特のパワフルで講談調の楽しい語り口と美しい画像により、充実した講演でした。特に先生ご自作の雅な文付枝は王朝文学の世界を間近に感じさせてくれました。

別府節子先生の「装飾料紙に記された和歌 鎌倉〜南北朝時代を中心に」は,主に「古筆切」のお話で「定数歌」や「百首歌」などの中世期の和歌は不勉強な身にはなじみの薄いものでしたが、国宝や重文等の貴重で美しい画像を駆使しての発表に最後までひきつけられました。穏やかな語り口ながら研究者としての真摯な主張が感じられた講演でした

両先生には長年温めていた構想が実現できて本当に感謝しています。旅先で出会った別府さん、博物館図書室に調べ物にこられた川村先生。縁とは不思議なものです。

今回は古典文学からみた和紙という 紙博としては初めてのテーマで 企画者としては不安もありましたが、何とか成功裏に終わり ほっとしているところです。何より自分が聞きたかった講演 見たかった世界が紙博で わずかでも実現できたことに まずは喜んでいます。
両先生はじめ 関係者の方には ご迷惑や失礼もあったと思いますが、どうぞ 今後とも このようなイベントが時々行なえればと思っております。

会場にお越しいただいた方 又 このブログを見ていただいた方 ありがとうございました。 会場も定員以上に集まり、ご迷惑かけたとも思いますが、これからもよい企画を 考えていこうと思っていますので、よろしくお願いします。 ブログ上から失礼しますが 今後とも皆様どうぞよろしく!!!

川村裕子著 「王朝の恋の手紙たち」

11月23日(祝)の講演会「うるわしの料紙」では 先にご紹介した別府節子さん(出光美術館)によるご講演ともうお一方 川村裕子さん(新潟産業大学教授)による「王朝貴族の華麗なる和紙と手紙」のご講演がある。

紙の博物館講演会「うるわしの料紙」
http://papermuseum.jp/uruwashi.html
川村先生は『王朝生活の基礎知識』『王朝の恋の手紙たち』角川選書 『更科日記』『和泉式部日記』(角川ソフィア文庫)で古典を広く若い読者にも広めることに意欲を燃やしておられる方。 ブログも立ち上げて 王朝文学関係の情報を積極的に発信されている。

川村裕子ブログ 「王朝と猫」
http://kageyuko.cocolog-nifty.com/blog/
川村先生は 紙の博物館図書室に「陸奥紙」について調べにこられたのが最初とのこと。其の時のことはよく覚えていないが、その後ご著書をご寄贈いただき、プロフィール等を拝見すれば なんと母校が一緒 住所もすぐ近く! とてもご縁のある方と感じた。 其の時、王朝の文学と和紙のことなど、いつかは講演会やイベントを開催したいと思ってきたが、今回「手漉き和紙の今」展の関連イベントとして講演をお願いすることになり、私自身がとても楽しみにしている。講演会当日には 王朝の文付枝(植物につけた王朝の手紙)の映像もお見せいただける由。源氏物語フリークとしてはますます楽しみでございます。

なお、講演会は申込みは不要ですが、入館料のみ発生いたします。 よろしくお願いします。

全国郷土玩具友の会発行 「おもちゃ」

G県立図書館より電話
「おもちゃ」という雑誌を所蔵しているそうですが、いつからお持ちですか?

当館では「おもちゃ」は12号(1955)から現在までところどころの欠号はあるものの所蔵している。OPACから最近の受入状況を知り問い合わせてこられた模様。原則受入雑誌はすべてNACSISにも登録しているが、「おもちゃ」に関しては登録もれがあった。あわてて登録。

ずーっつと書庫の隅で眠っていた雑誌に又光があたった。これが図書館人の喜び なのは 以前にも書いた。随分ひそやかな喜びだ。
おもちゃ12号は狸の人形が表紙。狸も嬉しそう!初期の雑誌は版画や写真がそのまま貼り付けられていて楽しい。

郷土玩具は和紙を使うので当館でも所蔵分野。他にもいろいろ本がありますので 紙の博物館OPAC で 検索してみてください。

紙の博物館OPACは 博物館ホームページのトップから
http://www.papermuseum.jp

NACSIS WebCat は こちら
http://webcat.nii.ac.jp/

出光美術館 芭蕉からの贈り物

紙の博物館で11月23日(祝)に講演会「うるわしの料紙」でご登壇いただく、出光美術館学芸員の別府節子さん担当の企画展が開かれている。
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/index.html
出光では芭蕉の真蹟を相当数所蔵しているそうで、今回は奥の細道前後の芭蕉をその書風の変化から3期に分けて展示している。芭蕉は大師流という書の一派の影響を受けているのではないかという推察も 初めて聞く事柄で興味深い。

別府学芸員は古筆や書跡学の研究者。芭蕉を書風という点から眺めることもなかったので、学ぶことばかり。その研究者からの解説には圧倒される。
芭蕉のような俳人は 句を直接短冊などに書くのだから、真蹟もそのまま残りやすいという事なのか。羽黒山などで、参拝登山を終えた直後芭蕉が請われるままに読んだ句なども その当時の情景が思い起こされ、その健脚ぶり故、やはり芭蕉は忍者かスパイかなどと違う方へ意識が飛んでいく・・・

因みに別府さんとkamihakuはかつて「山の辺の道」の宿で偶然知り合ったのです。これは三輪明神のおかげか?不思議なご縁です。今回このような形で紙博でご講演をお願いできて本当に喜んでいるkamihakuです。どうぞ皆様 かみはくの講演会にもお越し下さい。 

講演会「うるわしの料紙」11月23日(祝)13-16時 当日参加歓迎です。

http://www.papermuseum.jp/uruwashi.html
別府さんの講演内容は次の通りです。

装飾料紙に記された和歌―鎌倉〜南北朝時代を中心に―

華麗な装飾料紙に、出典未詳の和歌を散らし書きにした、鎌倉〜南北朝時代の一群の古筆がある。従来これらは、王朝の調度手本の類品とされてきたが、実は中世独特の内容と形式を持った和歌資料であることを解説。

江戸東京猫づくし展

本日はいたって個人的な趣味の話で失礼します。

江戸東京猫づくし展
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/josetsu/dai2/2009/0813/0813.html

江戸東京博物館で 9月27日まで開催

ひょんなことから 野良猫が家に飛び込んできて それから猫マニアになったkamihakuです。
ここ 飛鳥山公園にも多くの野良猫さんがいます。
昔は猫も犬も何とも思わなかったんですけど、猫にとりつかれてからは野良猫をみると悲しいやら切ないやら 自由な反面 不憫ですね。
元は人間の責任 飼い猫 飼い犬は最後まできちんと面倒を見ましょう。

今回の展覧会は1フロアーだけの こじんまりしたものですが、江戸時代の版画や石碑 猫にまつわる伝説 朝倉邸の幸せな猫像など 猫好きなら充分楽しめる内容です。保健所において日々処分される犬猫についてのパネル展示など、さすが東京都の博物館らしく、猫の正しい飼い方についての啓蒙も忘れていません。

特別展は写楽の肉筆画ですが、こっそり「猫展」だけを見に来るマニアも多いような・・・

猫好き必見